資格等の取得費
2023/07/06
埼玉県川越市の初山公認会計士税理士事務所のスタッフブログです。
先日、顧問先の社長から、
「資格を取るために支払った金額って経費になるの?」
と相談を受けましたので、
本日は役員や従業員が免許や資格を取得するための費用を会社が支払った場合の税務上の取り扱いの話をします。
まず会社の経費になるかならないかについて、従業員に関しては給与として経費になる場合と福利厚生費等の費用として経費になる場合が考えられます。一方、役員に関しては一般的には定期同額給与のため、福利厚生費等の費用としてのみ経費になる場合が考えられます。いずれの場合も会社の経費として損金に算入できますが、給与として経費になる場合は所得税の課税対象となってしまう為、福利厚生費等の費用として経費にしたいですよね。
では、どのような場合が福利厚生費等の費用とし認められるのか。
所得税法では、役員や従業員が受けた経済的利益は、金銭で受け取ったものではなかったとしも、給与を受け取ったものとして課税されますが、一定の要件を満たせば、課税しなくても「さしつかえない」とされています。
その一定の要件の一つに、
(所得税基本通達36-29の2)
使用者が自己の業務遂行上の必要に基づき、役員又は使用人に当該役員又は使用人としての職務に直接必要な技術若しくは知識を習得させ、又は免許若しくは資格を取得させるための研修会、講習会等の出席費用又は大学等における聴講費用に充てるものとして支給する金品については、これらの費用として適正なものに限り、課税しなくて差し支えない。(平28課法10-1、課個2-6、課審5-7追加)
と、あります。
つまり、会社の業務に必要で、資格取得者の職務に直接必要かつ一般的な金額ってことですね。
同じ会社でも職務が違えば取得する資格も違うので、会社の運営上必要であれば、それぞれの人ごとに違う資格を取得するための費用であっても給与として課税されないことになります。
と、上記の要件を満たしていれば給与課税されず、福利厚生費等の費用として会社の経費に計上できますので、従業員の資格取得を会社としてバックアップできますね。
以上、本日のブログでした。
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