初山公認会計士税理士事務所
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法人における保険の活用

法人における保険の活用

2019/04/18

川越市の会計士・税理士の初山です。

法人税の節税目的で利用されてきた保険商品について、平成31年2月以降、抜本的に取り扱いが変更されました。

法人の利益が出た場合、出た利益に応じて法人税を納付する必要がありますが、
「税金なんて払いたくない!」というのであれば、経費として認められる支出を増やせば、それに応じて税額を圧縮することができます。

しかし、それが無駄遣いであれば結果的に会社のお金が減少し、他社との競争力を失うことになります。
会社を大きくし安定させるためには資金を増やす必要があり、そのために納税は避けられません。

「税金を減らす良い方法はないの?」と聞かれた場合、保険の活用を提案することもありました。
今までは、例えばほぼ全額積立になり将来的に解約返戻金として返金されるのに、なぜか半分~全額損金として処理することが認められておりました。
返ってくるのに損金となるのであれば、とりあえず保険と考える経営者はたくさんいらっしゃいました。
保険の内容をほとんど説明することなく、簡単に契約が取れていたケースもあったと思います。

今年の2月、ついに国税庁が動き、節税商品のいたちごっこを終了させました。
今までは個別に個別通達の抜け穴を通すようなかたちで、支払った保険料を損金算入でき節税効果を高めた保険を新たに開発し、集中的に販売してはその後国税庁からダメ出しを食らうということを繰り返してきました。
今後は商品ごとの個別ルールではなく、算入ルールについては解約返戻金の返戻率が50%を超える商品を対象とすることと、解約返戻金のピーク時の返戻率に応じて損金算入の割合を区分すること、と方向性を示しました。

生保会社は、今回の国税庁の伝達について、素直に応じています。
国税庁をこれ以上怒らせると、既契約についても、新ルールを適用とされるリスクがあると判断したためだそうです。
そうなると、訴訟リスクや解約リスクがでてきますね。それこそ大ダメージになると想定されます。

保険商品の販売について、養老保険など節税目的で使えるものはまだ残っていますが、使いやすい商品は少なくなりました。
もともと節税目的に保険を使うことは好きではなかったため、個人的にはよかったと思いつつ、事業保証等、保険本来の機能に納得して契約した場合であっても全く損金にならないとなると、お金は払っているのに税金は全く減らないことになり、キャッシュフローは悪化する可能性があります。
解約返戻金として貯まっている積立金の9割は貸付を受けられますが、それを期待させてはいけませんね。
あくまで保険積立はないものと思い経営してもらい、ピンチの時に「実はあるよ」的な使い方が良いと思います。

生命保険会社の次回の決算に注目したいと思います。

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