贈答品は経費になる?中小企業経営者が知っておくべき税務上のルール
2025/10/27
贈答品は経費になる?中小企業経営者が知っておくべき税務上のルール
はじめに
中小企業の経営において、取引先との良好な関係を築くために贈答品を渡す機会は少なくありません。これらの費用を経費として計上したいと考えるのは当然のことです。しかし、どのような贈答品でも経費として認められるわけではありません。税務調査で指摘を受けないためには、事業に関連する支出と個人的な支出を明確に区別する必要があります。
この記事では、贈答品を経費として計上する際の基本的な考え方と、特に注意すべき点について簡潔に解説します。
贈答品を経費にするための大原則
贈答品が経費として認められるための最も重要な原則は、「事業の遂行上、必要である」と客観的に説明できることです。個人的な趣味で購入したものや、事業と無関係な相手への贈り物は経費にはなりません。
事業に関連する贈答品は、主に「接待交際費」として処理されます。
接待交際費とは
特定の取引先や仕入先など、事業に関係のある方々に対する接待、供応、慰安、贈答などのために支出する費用を指します。お中元やお歳暮、創立記念の贈り物などがこれに該当します。
「個人的な支出」と判断されないための注意点
経営者個人のための支出とみなされると、その費用は経費として認められません。特に、趣味性の高い品物や高額な商品については、税務調査でその目的を厳しく問われる可能性があります。
以下の点を常に意識することが重要です。
贈る相手は誰か
事業の利害関係者(得意先、仕入先など)への贈答品は、経費として認められやすいです。一方で、家族や友人への贈り物は、事業とは無関係の個人的な支出と判断されます。
社会通念上、妥当な金額か
事業上の贈答品として、あまりにも高額すぎるものは経費として認められない可能性があります。社会通念から逸脱していると判断されれば、個人的な支出とみなされるリスクが非常に高くなります。
事業上の目的が明確か
「日頃の感謝を伝えるため」「今後の取引を円滑に進めるため」といった、明確な事業上の目的が必要です。なぜその品物を、その相手に贈る必要があったのかを、客観的な事実に基づいて説明できるようにしておくことが大切です。
【重要】高額な贈答品が取引先に与える影響
自社の経費計上が妥当であったとしても、贈答品があまりに高額である場合、取引先(相手方)に思わぬ影響を及ぼす可能性があるため、細心の注意が必要です。
反面調査の可能性
税務署が自社への調査において、その贈答品の経費計上に疑問を持った場合、事実確認のために取引先へ調査(反面調査)を行うことがあります。これにより、取引先に手間や心理的な負担をかけてしまう可能性があります。
相手方の申告義務
法人が個人(取引先の担当者など)へ贈答品を渡した場合、その品物は受け取った個人の「一時所得」とみなされます。一時所得には年間50万円の特別控除がありますが、受け取った贈答品の時価が他の所得と合わせて年間50万円を超えると、相手方で確定申告が必要になる可能性があります。良かれと思って贈ったものが、結果的に相手の税負担を増やしてしまう事態も起こり得るのです。
原則として、法人から個人への贈答は、受け取った側の「一時所得」となります。ただし、その贈答が職務に密接に関連していると判断された場合、例えば職務に関連したコンテストの報奨などは給与所得に該当する可能性があります。どちらの所得になるかによって、所得金額の計算方法が異なります。
交際費の損金算入には上限がある
資本金1億円以下の法人(中小企業)の場合、交際費として支出した金額の一部または全額を、税務上の経費(損金)に算入することが認められています。以下のいずれか有利な方を選択できます。
- 年間800万円までの全額
- 接待飲食費の50%
この上限額を超えた部分は経費として認められません。多くの場合年間800万円の基準が使用されます。
まとめ
贈答品を経費として計上する際は、その支出が事業にとって本当に必要であったかという点が最も重要です。個人的な買い物を経費に含めないことはもちろん、その金額が社会通念上妥当であるか、さらには贈答先である相手方に余計な手間や税負担をかけないか、といった多角的な視点が求められます。
自社の会計処理だけでなく、取引先への影響も考慮した上で、適切な対応を心がけることが、信頼される企業としての健全な経営につながります。
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