賃上げ促進税制:中小企業が活用できる制度の基本
2025/09/08
1. 賃上げ促進税制とは
中小企業の皆様にとって、従業員の賃上げは重要な経営課題の一つです。政府は、企業の賃上げを支援するため、賃上げ促進税制という制度を設けています。この制度は、一定の要件を満たした場合に、法人税や所得税から税額控除が受けられるというものです。
賃上げ促進税制は、企業が従業員の給与等を増やした場合に、その増加額の一部を税金から差し引くことができる制度です。これにより、企業は従業員の満足度向上と税負担の軽減を同時に目指すことが可能です。
この制度は、大企業向けと中小企業等向けで要件や控除率が異なりますが、今回は特に中小企業に焦点を当てて解説します。
2. 中小企業向けの適用要件と控除率
中小企業が賃上げ促進税制を適用するためには、主に以下の要件を満たす必要があります。
- 前年度と比べて給与等支給額が増加していること
- 国内雇用者に対する給与等であること
これらの要件を満たすことで、以下のような税額控除が受けられます。(※2024年4月1日以降に開始する事業年度の場合)
【基本控除】
前年度と比べて給与等支給額が1.5%以上増加した場合、増加額の15%が税額控除の対象となります。
【上乗せ控除】
さらに、以下の要件を満たすことで、より高い控除率が適用されます。
- 給与等支給額が2.5%以上増加した場合、基本控除に加えて15%が上乗せされ、合計30%の税額控除が可能です。
- 上記に加え、教育訓練費が前年度と比べて5%以上増加した場合、さらに10%が上乗せされ、合計40%の税額控除が可能です。
- 上記に加え、女性活躍や育児支援に関する一定の認定(えるぼし認定、くるみん認定など)を受けた場合、さらに5%が上乗せされ、合計35%の税額控除が可能です。
上記の上乗せ措置は併用できるため、最大で45%の税額控除を受けることができます。
3. 賃上げ促進税制のメリット
この制度を活用することで、中小企業は以下のようなメリットを享受できます。
- 税負担の軽減: 従業員の賃上げにかかるコストの一部を税金から控除できるため、実質的な負担を軽減できます。また、赤字などでその年度に控除しきれない場合でも、5年間の繰越控除が可能です。
- 従業員のモチベーション向上: 賃上げを通じて従業員の士気が高まり、生産性向上にもつながる可能性があります。
- 人材定着・確保: 魅力的な給与体系は、優秀な人材の定着や新規採用において有利に働きます。
4. 制度活用のポイント
賃上げ促進税制の適用を受けるためには、給与台帳や教育訓練費の記録など、正確な書類の整備が重要です。また、税制は改正される可能性がありますので、常に最新の情報を確認することが大切です。
5. まとめ
賃上げ促進税制は、中小企業の皆様にとって、従業員の賃上げを後押しし、同時に税負担を軽減できる有効な制度です。ぜひこの制度を理解し、貴社の経営に役立ててみてはいかがでしょうか。
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