医療費が10万円以下でも節税できる!「セルフメディケーション税制」と医療費控除の使い分けガイド
2026/01/16
年末のレシート整理で節税対策!「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」の賢い使い分けガイド
今年も残すところあとわずかとなりました。年末調整の書類提出が終わると一息つきたくなりますが、税金の還付を受けるチャンスはまだ残っています。それが、年明けに行う「確定申告」です。
会社員の方でも利用できる代表的な節税策といえば「医療費控除」ですが、「うちは家族全員健康だから、医療費が10万円もかかっていない」と諦めてはいませんか? 実は、病院にかかっていなくても、ドラッグストアで購入した薬代で税金が戻ってくる可能性があります。それが「セルフメディケーション税制」です。
今回は、意外と知られていないこの2つの制度の違いと、どちらを選ぶべきかの判断基準について解説します。
医療費控除の基本:10万円の壁と範囲
まずは、従来の「医療費控除」についておさらいしましょう。これは、1月1日から12月31日までの1年間に、自分自身や生計を一にする家族のために支払った医療費が、原則として10万円を超えた場合に利用できる制度です(総所得金額等が200万円未満の方は、その5%を超えた場合)。
対象となるのは、医師による診療費や治療費だけでなく、通院のための電車代やバス代などの交通費、治療に必要な医薬品の購入費も含まれます。
よくある勘違いとして、「予防」のための費用は対象外であるという点があります。例えば、インフルエンザの予防接種や、異常が見つからなかった場合の人間ドック費用、美容目的の施術などは医療費控除の対象にはなりません。あくまで「治療」にかかった費用が対象です。
セルフメディケーション税制:1万2,000円からの節税
「医療費が10万円もいかない」という健康な方でも使えるのが、セルフメディケーション税制です。 これは、健康の維持増進や病気の予防への取り組み(健康診断や予防接種など)を行っている方が、対象となる市販薬(スイッチOTC医薬品)を年間で1万2,000円以上購入した場合に適用されます。
対象となる医薬品は、風邪薬、胃腸薬、湿布、アレルギー薬など多岐にわたります。ドラッグストアのレシートに「★」や「■」などのマークがついているものが対象商品です。また、商品パッケージにも識別マークがついていることが多いです。
控除される額は、「購入金額の合計 - 1万2,000円」です(上限8万8,000円)。従来の医療費控除に比べてハードルが低いため、軽い風邪や腰痛などで市販薬をよく利用するご家庭では、こちらの方が適用しやすいケースが多々あります。
どちらを選ぶべき?併用は不可!
ここで最も重要な注意点は、「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」は併用できないということです。どちらか一方を選んで申告しなければなりません。
判断のポイントは、「どちらがより多く所得から控除できるか」です。 例えば、病院での治療費が5万円、対象となる市販薬が3万円だったとします。
- 医療費控除の場合: 合計8万円なので、10万円を超えておらず、控除額は0円です。
- セルフメディケーション税制の場合: 市販薬3万円 - 1万2,000円 = 1万8,000円が控除対象になります。
このケースでは、明らかにセルフメディケーション税制を選んだ方が有利です。逆に、入院や手術などで高額な医療費がかかった年は、通常の医療費控除を選んだ方が還付金が多くなります。
結論:レシートは捨てずに「仕分け」
どちらの制度を利用するにしても、最も大切なのは「領収書やレシートを捨てずに保管しておくこと」です。
特にドラッグストアのレシートは、日用品と一緒に印字されていることが多いため、誤って捨ててしまいがちです。購入したその場で、対象となる薬にマーカーを引いておくと、後で集計する際に非常に楽になります。
「たかが数千円の還付」と思うかもしれませんが、住民税の計算にも影響するため、実質的なメリットは意外と大きいものです。この年末、一年分のレシートを整理して、賢く確定申告の準備を始めてみてはいかがでしょうか。
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